出前館の法人契約終了で私が経験したこと
今回は、少しきれいごとを抜きにして書こうと思います。
株式会社まあちゃんは、2021年に出前館の春日井拠点に選ばれたことをきっかけに法人化しました。
それが「株式会社まあちゃん」の始まりです。
当時の私は、これから会社として配送事業を大きくしていけると思っていました。
人を採用しました。
社員4名を雇用し、さらに1日6〜8名ほどのアルバイトが稼働する体制をつくりました。
配達に必要なバイクも用意しました。
保険にも入りました。
人を雇えば社会保険も必要です。
会社として事業をするために、必要なものを一つずつ揃えていきました。
当然、お金もかかります。
それでも、
「これからこの事業を育てていくんだ」
と思っていたから投資しました。
会社をつくるのは、簡単ではありません
外から見れば、
「出前館の配達をやっていた会社」
それだけかもしれません。
でも、その裏側では一つの拠点を動かすために、人を採用し、教育し、車両を準備し、保険に入り、毎日のシフトを組み、問題が起きれば対応する。
そうやって現場をつくっていました。
会社は紙一枚でできても、組織は紙一枚ではできません。
時間もかかる。
お金もかかる。
何より、人の人生を預かります。
私自身、毎日のように社員やアルバイトからLINEが来る環境が好きでした。
大変でした。
でも楽しかった。
「もっと人を増やしたい」
「もっと大きな組織にしたい」
そう思っていました。
しかし、2025年8月で法人契約は終了しました
その話を聞いた時は、本当にきつかったです。
こちらは、この事業を続けることを前提に会社をつくり、人を雇い、設備や車両を用意してきました。
ところが、大手企業が事業のやり方を変えれば、私たちのような委託先はその影響をまともに受けます。
契約が終われば、
「はい、ここまでです」
で終わるかもしれない。
しかし、こちらの会社はそこで消えてなくなるわけではありません。
従業員は残ります。
車両も残ります。
保険も残ります。
固定費も残ります。
そして、それまで事業のために背負った借入も残ります。
これが現実でした。
「形をつくる側」が一番リスクを背負う
この経験をして、私は大手企業と中小企業の仕事のあり方について考えるようになりました。
大きな看板のもとで仕事が始まる。
地域で実際に人を集めるのは誰なのか。
採用するのは誰なのか。
現場を管理するのは誰なのか。
車両を準備するのは誰なのか。
地域で毎日走り回る体制をつくるのは誰なのか。
少なくとも私たちの現場では、それを一つずつ積み上げてきました。
そして環境が変わった時、そのために用意したものまで一緒に消えてくれるわけではありません。
事業はなくなっても、投資した側の責任はなくならない。
私はそこに、大手企業と小さな会社との力の差を痛感しました。
「いいところだけ持っていかれた」と感じた
これはあくまで、株式会社まあちゃんを経営してきた私自身の受け止めです。
正直に言えば、
「こちらに形をつくらせて、必要がなくなったら切られた」
そんな感覚が残りました。
もちろん、企業には企業の経営判断があります。
契約には契約があります。
出前館側にも事業上の事情や考えがあったのだと思います。
でも、現場をつくった側にも生活があります。
社員にも生活があります。
「契約だから仕方ない」
その一言だけでは片付けられないものが、経営する側には残ります。
私はそれを実際に経験しました。
一番残ったのは、借金より悔しさだった
会社には、事業をつくるために背負った借入も残りました。
もちろん、それを返すのは株式会社まあちゃんの責任です。
誰かに返してもらおうとは思っていません。
経営者として判断した以上、自分の責任でもあります。
だからこそ悔しかった。
大手企業の仕事だから安心。
大きな会社との契約だから、この先も大丈夫。
そんな考え方では会社を守れない。
身をもって学びました。
だから、もう一つの事業だけには頼らない
出前館が終わったからといって、株式会社まあちゃんを終わらせるわけにはいきませんでした。
飲食店があります。
従業員がいます。
そして会社があります。
だから次の事業をつくりました。
2025年8月には宅食ライフ春日井店をスタート。
軽貨物配送。
レンタルバイク。
そして現在はRocket Nowの配送事業にも挑戦しています。
私が目指しているのは、
一つの大手企業の判断で会社全体が揺らぐような経営から抜け出すことです。
飲食という畑。
宅食という畑。
軽貨物という畑。
フードデリバリーという畑。
そして、これから自分たちでつくる新しい畑。
一つがダメになっても、別の畑で仲間が働ける会社にしたい。
大手企業と仕事をする人に伝えたいこと
大手企業と仕事をすること自体を否定するつもりはありません。
株式会社まあちゃんも、これからさまざまな企業と仕事をしていきます。
ただ、私と同じような中小企業の経営者には伝えたい。
大手の看板と、自分の会社の経営は別物です。
仕事があるうちに、
「この仕事が明日なくなったらどうするか」
を考えておいた方がいい。
車両を増やす時。
社員を増やす時。
借入をする時。
事務所を借りる時。
その投資を、契約が終わったあとも自分の会社で背負えるのか。
私は、その重要性を痛いほど経験しました。
それでも、もう一度大きな組織をつくりたい
こんな経験をしたのに、私は今でも人を増やしたいと思っています。
出前館の仕事をしていた頃、たくさんの人が会社にいました。
毎日LINEが鳴っていました。
大変だったけど、楽しかった。
私はやっぱり、あの環境が好きなんだと思います。
一人でできることには限界があります。
人を雇うなら、人が活躍できる大きな畑が必要です。
畑が大きくなれば、また新しいことに挑戦できます。
だから次は、
誰かに畑を用意してもらうだけではなく、自分たち自身でも畑をつくれる会社にしたい。
出前館との仕事で経験したことは、決して無駄だったとは思っていません。
悔しい思いもしました。
借入も残りました。
でも、人を雇って組織を動かした経験も残りました。
そして何より、
「自分の会社は、自分たちで守れる会社にしなければならない」
という教訓が残りました。
株式会社まあちゃんは、まだ途中です。
失敗もしています。
遠回りもしています。
それでも、また挑戦します。
今度は一つの大きな看板に会社の未来を預けるのではなく、
自分たちでいくつもの事業を育て、人を雇い、新しい挑戦ができる組織をつくる。
それが、出前館の法人契約終了を経験した私が、今目指している会社です。